ホーム > 小谷の250字 > 2003年4月(30)


<< メモは忘れるためにある >>


2003/4/7(Mon)

 忘れ去られるアイデアなど取るに足らないなどと豪語していたのも今は昔。どうも物忘れが激しい身からはメモ帳が手放せない。備忘録とはよく言ったものだ。
 しかし最近は少し考え方を変えて、むしろ「忘れる」ためにメモを活用している。一つのアイデアが浮かんだ時、それをいつまでも憶えておこうとすると他のことが手につかない。アイデアはさっさとその場で書き留め、すべてリフレッシュして次のことを考えるに限る。PCもメモリーがいっぱいになれば凍りつく。すぐ必要なもの以外はHDDに書き込んでしまう方が効率的なのだ。
小谷隆


<< 妖しくも切なき花の盛りなり >>


2003/4/8(Tue)

 門出の季節。それを寿ぐように咲き誇る桜は今が盛りだ。今年は心なしか例年より花の数が多く映る。思い過ごしであればいいが、何しろ花の多い年はろくなことがない。
 花が増えれば実も種も増える。咲かせる花の多さは子孫繁栄に対する危機感の表れともいえる。桜は未来の危うさを敏感に感じ取り、たくさんの花を咲かせ種を撒き散らしているわけだ。
 そんな思いで眺めてみると、花は咲き誇るほど妖しく切ない美しさを醸し出す。道行く旦那衆に最後の色香をふりしぼって水揚げを請う熟年の遊女の媚びはこんな風だったのだろうか。
小谷隆


<< フリーターという名の怠け者どもに告ぐ >>


2003/4/9(Wed)

 世は不景気で新卒学生の就職もかなり厳しいと聞いているが、本当に就職したくてもできない学生はともかく、不景気までも口実にしてろくに職にもつかない若者が増えている。厚生労働省もついにフリーター向けの就職支援窓口を開設した。
「自分探し」をしているなどと格好をつけるが、適職がどうのという以前に社会人として世の中に貢献していこうという自覚がまずもって欠けている。フリーターなどという有難い美名に甘んじている場合ではない。石の上にも三年という言葉があるが、どんな職であれまずは3年耐えてみよと言いたい。
小谷隆


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