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日本人が英語を使えない理由
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2003/4/10(Thu)
およそ最高学府たる大学を出てろくに英語さえ話せないのは日本人ぐらいだとある会社の人事担当役員が嘆いていた。確かにそうかもしれないが、これは学生の怠惰だけによるものでもない。
日本では多くの学者が苦労して古今東西の書物を邦訳してくれたおかげでたいていの書物が自国語で読める。英語が使えなくても大学教育までの知識は得られる環境にある。ちなみに発展途上国などでは自国語のテキストがないために大学の授業は英語で行われているそうだ。
まったく本邦の学生は恵まれているというのか、甘やかされているというのか。
小谷隆
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「じゃないですか」言葉
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2003/4/11(Fri)
昨今、「じゃないですか」言葉が横行している。「最近よく言うじゃないですかぁ」のような用法だ。一説には関西方言の「〜やんかぁ」が語源だというが、僕は単に「じゃん」が変形しただけだと思っている。三河から関東まで幅広く使われている「じゃん」は「じゃない?」という反語の短縮形で、仲間うちで使われる語尾。社会に出た若者が目上の人に対して苦し紛れに丁寧語化したのが「じゃないですか」だ。
僕も知らないうちに使っているらしく、こないだ人に指摘された。不思議なものでいったん気になるとなぜか語尾に神経質になる。
小谷隆
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時に類は友を呼ばず
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2003/4/12(Sat)
類は友を呼ぶという。英語にも「同じ羽の鳥は集まる」という諺がある。趣味趣向の合う人同士が共感をもとに集うというのはおそらく人類共通の現象だろう。
しかし個々の個性が強すぎると様相が違ってくる。同じような個性同士がコンビを組んで相乗効果を生むこともあるが、多くのばあい似た者同士は相互に反発し合いがちだ。自分とよく似たことをやっている者で、しかも自分にない要素がわずかに含まれていたりすると嫉妬の対象にさえなりかねない。
そしてその嫉妬は憎悪となり、時に悲惨な戦争さえ招くのである。
小谷隆