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<< 唄の真髄はグルーヴにあり >>


2002/4/7(Sun)

 歌唱の巧さを左右する最大の要素はきっとグルーヴ感だろう。演歌にもR&Bにもそれぞれ独自のグルーヴ感がある。しかし多くのアマチュア歌手はそうした根の部分を後回しにして音程やら発音といった枝葉末節のアラを消すことにばかり躍起になっている。アラがないことがプロフェッショナルな唄い方だと勘違いしているようだ。
 きちんとしたグルーヴをつかめていれば、細かいアラなど大きなうねりの中に消えてしまう。楽譜には書ききれない細かい唄い回しもしょせんはその曲固有のグルーヴ感に支配されているのだから。
小谷隆


<< グルーヴの補足〜リズム感とは >>


2002/4/8(Mon)

 真のリズム感とは正確なテンポを刻める能力のことではなく、リズムを支配し、自らのグルーヴを出せる能力のことである…などと言うと仰々しいが、要するにリズム感の良さはノリの良さに他ならないということだ。
 たとえば♪=120の4拍子を正確に刻むメトロノーム音も、それに絡む楽器や声のあり方でいろんなグルーヴの基になり得る。たまにこれを歌手たちのトレーニングに使っているが、2時間ほどの集中特訓を経ると踏切のチンチンチンチンという音さえ裏拍子で聴き取れるようになる。いずれまた公開講座にしようと思う。
小谷隆


<< 公開講座〜グルーヴをつかむステップ >>


2002/4/9(Tue)

 いずれグルーヴのことは公開講座にすると書いたら「概要を知りたい」のメールが多数寄せられた。基礎トレのノウハウはプロダクションとの契約上公開できないが、応用編の一端だけ紹介しておく。
(1)バスドラム、スネア、ベースを注意深く聴く。
(2)次に、上記の音を「聴く」のではなく「感じ」ながら唄ってみる。
(3)歌に絡んでくる他のメロを「感じ」ながら融合する。
 とにかく他の音に注意を払うことに尽きる。あらゆる楽器を自分で鳴らしている感覚が身につくと、歌手自身もそれを聴く人も気持ちの良いグルーヴに包まれる。
小谷隆


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