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> 小谷の250字
> 2002年4月(30)
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四千年の音
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2002/4/4(Thu)
先日、日中国交正常化30周年関連の会合で中国伝統楽器の楽団による生演奏に触れ、中国四千年の奥深さを知らされた。現代性に配慮したであろうその音程は西洋音楽に照らしても精確であるばかりではなく、胡弓によるレガートな演奏の無段階な音程表現の妙には西洋音楽が逆立ちしても追いつけない深みがある。同席した小泉首相も惜しみない拍手を送っていた。
ちなみに現在、この「中国中央民族楽団」は来日公演中。国家交流は文化交流から始まる。近くて遠い隣国を理解するにはまずこの音の深みをぜひとも体験してほしい。
小谷隆
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青田買いの功罪
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2002/4/5(Fri)
モー娘のオーディションが今や対象を小学生にまで広げ、豊乳系で名高いイエローキャブまでがスカウト対象をローティーンにまで下げている。中学まで待ったら逸材にはツバがついてしまうからだという。このぶんだといずれ幼稚園児にまで手が及びそうだ。やれやれ。
早くから現実のショービズ世界の厳しさにさらして鍛えるという意味なら青田買いも結構。だがせっかく見つけた逸材なら十代のうちにパッと咲いて散る消費物に急造するばかりでなく、歳に応じた深みを出していけるよう長い目でじっくりと育ててほしいものだ。
小谷隆
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詞先の妙
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2002/4/6(Sat)
昨今はいわゆる「曲先」が主流になっている。特に日本語はもともと五七五などの「形式」にはめ込む文学をもつ言葉ゆえ、曲先には馴染みやすい。しかしやはり曲の音数に制約を受ける分、世の歌詞表現にも限界が見えてきたように感じていた。
そんなこともあって最近では詞先も多く採用している。制約を最小限にするため、1番と2番の音数を合わせなくてもいいことにしてある。そうすると不思議なもので、作詞家さんたちは水を得た魚のようにのびのびと自分の世界を描き始めたのだった。どうやら詞先には詞先の妙がありそうだ。
小谷隆