ホーム > 小谷の250字 > 2002年2月(28)


<< 和み塾 >>


2002/2/7(Thu)

 仕事前にコーヒースタンドに立ち寄るのは張り過ぎたテンションを少し緩めるためだ。コーヒーもさることながら、普通なら殺伐としてしまいそうな場なのに、リーダー格の女性の笑顔いっぱいの態度が和みの空気を作り出してくれる。
 風邪で辛そうにしている店員を気遣うさりげない温かさ。そういう誠意が店員を通じて客にまで伝わる。これほど接客態度のよいスタンドを見たことがない。客の前で店長が店員にケリを入れるラーメン屋もあるというのに。
 制作グループを束ねる者として、彼女からは日々いろんなことを学ばされる。
小谷隆


<< 本屋は時代の断面 >>


2002/2/8(Fri)

 本屋は好きだが必ずある程度の間隔を置いて足を運ぶようにしている。しかし行ったらとにかく長居して隅から隅まで背表紙の題名を読みまくる。そこに時代の断面があるからだ。30分もそうしていると現代を数十字に要約できるようになる。
 さて今回の要約は以下のとおり。
 人々は不安な世相に自信のよすがを求め、それでもなお自信の衣を失って丸裸にされた自我は大いに傷つき、傷だらけの心はいやしを求める。これが現代日本。そういえば音楽も応援歌系からいやし系へ主流が移ってきた。さてその次に何ができるか? それが課題だ。
小谷隆


<< コーヒースタンドの法則 >>


2002/2/9(Sat)

 僕は交通に支障がない限りカントのように正確な朝を過ごし、ほぼ毎日同じ時刻にコーヒースタンドを訪れるのだが、同じ時間帯なのに日によって満席で合席を余義なくされたり、かと思えばカウンターを貸切りにできるほど空いていることもあるのが不思議でならない。天候によるのかとも考えたが、同じような雨の日でもかなりばらつきがあることは経験的に知っているし、手帳のメモからも統計学的な規則性は出てこない。
 そこには世間の気分という厄介な関数がかかわっているに違いないが、その方程式を解くのが音楽家の仕事なのだろう。
小谷隆


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