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<< プロデューサーなき音楽業界 >>


2001/12/7(Fri)

 95年にはCDのミリオンセラーが57作あったというが、売上は99年をピークに伸び悩んだ。業界が携帯電話に客を奪われたと騒ぎ始めたのもちょうどその頃。それから売上は急降下し、今年ミリオンはまだ4作だそうだ。
 業界は今もなお携帯電話を目の敵にするばかりで打開策を見出せていない。有効期間3カ月のタイアップ取りには一生懸命だが、肝心の人材発掘・育成では色々な催しで間口を広げる以上の工夫が見られない。かと思えば開き直って育成者そのものを募集するオーディションも登場した。もはやお手上げということか。
小谷隆


<< 「数の暴力だ!」への一括回答 >>


2001/12/8(Sat)

 MP3TOKYOで2ちゃんねるソング制作部の作品が上位を席捲している。これに対してアーティストもしくはそのファンとおぼしき人々から匿名のhotmailで苦情殺到中だ。数の暴力だと非難する声もあったが、別に他のアーティストの曲のDLを妨害しているわけでもなく、この批判は的を得ていない。バックボーンの濫用という声もあったが、背景もまた実力のうちだと思う。
 悔しかったらそれ以上の数を稼げるだけのプロモーションを仕掛けてみよ、というのがいわれなき批判への一括回答である。
小谷隆


<< 何よりも有能な作詞家求む >>


2001/12/9(Sun)

 ストックを取り崩そうとしたら、蔵出しの物にはなかなか詞が乗らない。講座を開く身でありながら実に情けない限りだ。既述のとおり今や楽曲のストックは600以上もあるが、残念なことに詞が乗ったものは極めて少なく、唄い手が見つかるたびに書き下ろすかさもなくば唄い手本人に書いてもらっている。
 実は詞の乗ったものは曲と詞が同時に出てきたものがほとんどだ。およそその場でラフな歌詞まで仕上がらないような作品はけっきょく5年も10年もインストのままお蔵入りになる運命にある。
 今は何よりも有能な作詞家がほしい。
小谷隆


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