ホーム
> 小谷の250字
> 2001年12月(31)
<<
サムライ、半日で討ち死にす
>>
2001/12/4(Tue)
およそ栄養ドリンクの存在意義はこの国の社会で今も珍重されている武家精神を高揚させることなのだろう。イタリア人がリポビタンを飲む姿は想像し難い。
かく申す僕に朝食の後で腰に手を当ててユンケルを一気飲みさせ気合をつけたのも、大の男がごろごろしていては身体も鈍る、というサムライ根性。仕事に出かけたのは三日ぶりのことだった。
しかし戦場にあっては基礎体力の消耗が露呈する。ドリンクのご利益も半日で切れ、緊張感の切れた後は病状も芳しからず、けっきょく帰ってまた床に伏し、携帯電話での執筆となった。
小谷隆
<<
J-pop雑誌が相次ぎ休刊
>>
2001/12/5(Wed)
かつては書店の一角を占領していたJ-pop雑誌が相次いで休刊の憂き目にあっている。業界の盛衰はそれを扱うメディアの勢いでわかるものだが、携帯電話に若者の小遣いを奪われたと言い訳するほかない日本の音楽業界の悲哀を象徴するような現象だ。
天井の見えていたジャリの小遣いばかりを当てにしていたことが構造的な問題だった。安易な仕掛けでも若者が敏感に反応するのをいいことに、長い目で本物を育てるのを怠ったツケが回ってきた。その間に大人たちはそっぽを向いてしまった。
引きのいい市場は退きも早いのだと知るべし。
小谷隆
<<
夢のある将来を語るために
>>
2001/12/6(Thu)
音楽も映画もいずれタダになるというのがネットの将来に関する世の最新の見解らしい。コンテンツはタダにして広告料でもうけようというのだ。確かにナプスターなどで一度でも無料ファイル交換を体験したら今さら有料の会員制サービスなど受け入れるはずもない。ナプが有料派の軍門に降るや、みな一斉に他の類似サービスを探しに行って今や閑古鳥が鳴いている。一方なかなか標準になるような著作権保護技術も出ず、しばらくはコピーし放題のMP3で配信せざるを得ない。
若い才能たちが夢を持てるようなビジネスモデルの確立が急務だ。
小谷隆