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<< 敏腕プロデューサーの魔法は通じるか >>


2004/1/10(Sat)

 一時は視聴率が30%を超えるようなお化け番組も登場したトレンディドラマだが、ここ最近はもはやトレンディというよりは一つのスタンダードになってしまった感があり、TBSの敏腕プロデューサー・貴島氏をして「トレンディドラマ以降、新商品が出ていない」と言わしめるほどだ。
 さてその貴島氏が金曜22時というプラチナ枠に投入する新ドラマは「奥様は魔女」。往年の米国の名ドラマを日本版にリメイクした意欲作である。「シリアスな時代にシリアスなものなんか誰も観たくないはず」(貴島氏)。なるほど、お手並み拝見といこう。
小谷隆


<< 不満なればこそ >>


2004/1/11(Sun)

 自分は同世代の中でどれぐらいの位置にいるのかと考えてみたら、たとえば収入ならそれほど悪い方でもないだろうが、外資系銀行の連中には敵わない。まして大学の同窓には百億の資産を築いた国内屈指のベンチャー成功者がいる。上を見たらきりがない。せめて自分が願った姿にどれだけ近づけたかという観点で眺めてみようと思うが、現状はかつての志からはほど遠い。
 しかしなまじ「これでよし」と現状に安住してしまうのもいかがなものかと思う。男は欲の塊であるぐらいでちょうどいい。不満は前向きな努力への最大のエネルギーなのだから。
小谷隆


<< 時代の断面を描くことについて >>


2004/1/12(Mon)

 音楽にしろ文学にしろ、表層的な表現が目新しいにすぎないのにあたかもそれが新しい概念であるかのように芸術家が錯覚を始めると始末が悪い。人の感情の多くは時代に左右されることはない。文化やそれに含まれる規範によって表現を変えているだけで、たとえば恋愛感情にしてもその本質は殆ど何も変わっていないのである。
 しかし普遍的なものも時代背景によって見え方は違う。ならばその違いを比べてみたら今という時代がわかるだろう。「時代の断面を描く」とはそういうことであり、それを表現できる人がその時代の芸術をリードできる。
小谷隆


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