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<< 続・時代の断面を描くことについて >>


2004/1/13(Tue)

 現代の事象ばかりどれだけ描き連ねてみても今という時代を描いたとは言い難い。現代という時代を描くのであれば時代によって変わらない本質を突き止め、それが時代によってどう人の眼に映ってきたかという歴史認識が要る。
 たとえばここに白い紙がある。ある場所では青く見える。それはその場の光が青いからであって、紙が青くなったからではない。またある場所では赤く見える。それは光が赤いからであって紙が赤くなったからではない。その「青」と「赤」との差が時代の断面である。
 何よりまずは紙の白さを知らなければならない。
小谷隆


<< 上を向いて歩こう >>


2004/1/14(Wed)

 人は放っておくと自分の足元ばかり眺めがちだ。石に躓くまいとビクビク歩みを進めていないか。誰かの落とした財布でもあれば見逃すまいと無意識のうちに路面を眺めている卑しい自分はいないか。
「上を向いて歩こう」は溢れる涙がこぼれないようにするためだが、上を向くまでもないにしろ意識して胸を張って歩いてみたらどうだろうか。まず風景が微妙に変わるのだが、これにはびっくりするほどの気分転換効果がある。医学的にみても背骨が伸びる姿勢によって体が開放的になり、不思議と気持ちが外向きになるのだそうだ。
小谷隆


<< 「ユニークな人」を見極めよ >>


2004/1/15(Thu)

 どこの世界にも「ユニークな人」と呼ばれる人種がいる。奇抜な言動で周囲を驚かせて時には一目置かせるようなこともある。しかしそういう人々の本質はきちんと見極めた方がいい。単なる出鱈目なのか本当に独創的なのか。斬新なアイデアであったとしてもそれは受売りでなくその人自身から出てきたものなのか。
 少なくとも僕の周囲にいる「ユニークな人」たちの大半は単なる天邪鬼か、便利なネタ元を隠し持つ受売り屋に過ぎない。まずもってそういうエセ者は反対意見にすぐキレて馬脚をあらわす。自分の言動に自信がないからだ。
小谷隆


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