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<< 風化する事実 >>


2009/2/5(Thu)

 先日テレビで興味深い番組を視聴しました、何かというとSMAPの特番です。メンバー5人それぞれコーナーを担当したりともちろん彼等の魅力満載だったのですがそれ以上に興味深かったのは不遇ともいえるデビュー数年間を振り返っていたことです、大ブレイクする前から彼等を起用してきたテレビ局での特番だったせいもありお宝映像盛りだくさんでした。現在ではアイドルという枠に留まらずアーティストや俳優として老若男女に幅広く知られ押しも押されもせぬ人気者である彼等しか知らない世代には信じられないことですが確かにそういう時代が存在していました、しかしそこには“ジャニーズにしては”という但し書きがつきますが。デビュー以来チャート1位になることなど当然と思われているジャニーズ勢(そんな人は実際は数少ないが)の中でデビュー曲はおろかその後数年間1位を獲得出来なかった彼等はなるほど落ちこぼれと言われても仕方なかったのかもしれません(あくまでジャニーズとしては)。だからこそ当時のアイドルには珍しく顔を売るためにコント等にも挑戦せざるを得なかったのでしょう(香取慎吾はアニメの声優までやっていた)。彼等が真の意味でブレイクするのはドラマ等で個々の俳優としての地位が築かれはじめ(特に木村拓哉)、中高生というパイを捨て楽曲を大人が堪えうるものにスライドさせた頃からでありだからこそジャニーズ勢の中で名曲と呼ばれる曲に一番巡り会っているグループに成り得たとも言えます。デビューから数年はトップアイドルでいたにも関わらずその後の活躍はさほどでもないようにも見える諸先輩方(無論全員では無いですよ)から見るとむしろアイドルとしての色があまりついていなかったのが現在の成功をもたらしているのかもしれません、しかも当時の彼等の涙ぐましい努力のせいで世間のハードルが上がり後輩達に「ジャニーズといえど面白いことの1つも言えないと」という暗黙の了解をもたらしたのも何か皮肉めいたものを感じますね。最後に今一番心配なジャニーズ勢について、10数年後テレビ東京で「Hey!Say!JUMP物語」とかやってもらえるくらいになるかしら?(特に元YA-YA-yahの方)
ロク田中


<< リメンバー・ミー(5) >>


2009/2/12(Thu)

 今回はrumania montevideoを取り上げます。今から10年前の1999年にアニメ「名探偵コナン」に起用された「Still for your love」をヒットさせました、この当時同アニメを見ていた世代には思い出の1曲として語られていることでしょう(苦笑)。楽曲を作る時に既にある作品をモチーフにする場合が往々にしてあるようです、曲であれば既発表曲のコードや旋律となるのでしょうが詞の場合はもっと幅が広く既に発表されている音楽作品だけに留まりません。文学作品や映画とその世界観まで含めたものからインスピレーションが湧くようです。モンテビ(当時はそう呼ばれていた)のこの曲もある曲の世界観がモチーフになっているように思われます、REBECCAの中で「フレンズ」と並び代表曲と言われる「MOON」の世界観がこの曲のモチーフでしょう。最近よく考えるのですが物を創造する作業はどの分野においても似ています、特に表現の部分に重きがおかれる芸術等の世界では顕著です。お笑い(特にコント)の世界ではある程度決まったシチュエーションが存在しますが見せ方の差がその人達の腕となり新鮮味さえ感じさせられる場合もあります、これは音楽における詞の世界でも共通であると考えます。もちろん安っぽいパクリと見えてしまう場合はいただけませんが(いくらリスペクトやらインスパイアやら言い訳をつけても)その技術がしっかりしていると受け入れやすくなることもあります(パクリ論争の際必ず言われる台詞)。だからこそ常々考えるのはその出自を明確にすることも大事になってきているのでは無いでしょうか?もちろん何らかのルールがあってOKであることがあるのでしょう、しかし本当にその人達をリスペクトしているのであればだからこそ明確にすべきかと思いますね。まぁパクリ=悪と思う考えがもう古いのかもしれませんが。
ロク田中


<< 届かぬ思い >>


2009/2/19(Thu)

 僕はそこそこお笑い好きです、見られる範囲でお笑い番組はチェックしています。先日行われたR-1グランプリも楽しく拝見しました、テレビ放送が始まってからは全回見ていますが今回はいつも以上に気合いが入りました。出演者の中に何度か間近でネタを見たことがある人がいたからです、それもそんなに有名じゃない頃にプライベートライブと言える感じのこじんまりした空間で見た人だったので大舞台に登場することを知った時には親近感が湧きました(個人的に親しくなったわけでは無い)。音楽の世界でもこういう事はよくある現象です、まだ売れる前やインディーズからのファンであったりすれば自分の支持している人(達)が世に出てほしいと思うのは自明の理です、これは人によって違いが出るとは思いますがそれから先の選択肢が分かれます。自分の先見の明に満足し引き続き応援する人、もう1つは一般大衆に広く知れ渡ったことでよりマイナーな人に興味の矛先を向ける人です。メディア発信の情報に踊らされミーハー街道一直線の僕はなかなかそういう機会に遭遇したことはありません、気に入ったマイナーな歌手は残念ながらマイナーなままで終わってしまうからです(見る目がないのかしら?)。とはいえ何組かはそんなに評判になっていない頃からチェックしていたアーティストもいます、どこに線引きをするかで認識の違いは生じますがドリカムは比較的これに当てはまります。ただCDを買っているのとライヴに足繁く通っているのとではスタンスに大きなズレが存在します、どちらが良いとか悪いとかの話では無く接する機会が多いほど親近感(親密度)が増すのは当然です。それまでハードルがわりかし低かった人がメジャーになりハードルが急に上がったりすると意外と古くからのファンは離れがちです(思い込みの部分は多いが)。これからメジャーになる予定のアーティストの皆さん、どうか古くからのファンを(親しくなくても)大事にしてあげて下さいね。
ロク田中


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