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> 2003年7月(31)
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島国に起業旋風は吹くか
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2003/7/7(Mon)
株式会社設立にあたって最初の5年間に限り資本金が1円でもOKという特別措置が講じられていたが、最低資本金自体が05年度には完全撤廃される見通しだ。米国並みの起業を促進しようというわけだが、そもそもこの国にあってはいかに規制が緩和されようとも起業が活発になるとは俄かに考えがたい。
長い歴史を四方の海に守られてきたこの島国ではいまだ終身雇用が主流で、事なかれ主義や長期安定志向が重んじられている。開拓者たちが建てた国とは根本的に違う。経済が低迷しても低迷の中の安定を探る国で起業旋風は吹くのか。
小谷隆
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専業歌手の価値
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2003/7/8(Tue)
こんな逸話がある。ある日フランスの劇作家と俳優が宴席で論争した。作家と演じ手とではどちらが重要かと。俳優は宴席の人々に対し、メニューを読んでみせた。客はみな感動した。俳優の勝ちである。
芝居は演じ手がいて初めて価値をもつ。歌も同様。どんな優れた楽曲もそれにふさわしい歌い手がいてこそ人の心に響く。
自分で歌を書くシンガーも増えたが、専業の唄い手も立派な芸術の担い手である。否、他人の書いた作品を我がものとして唄いあげることのできる歌手は自作品しか唄わない歌手よりも貴重な存在なのかもしれない。
小谷隆
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昼寝の合法化はいつ?
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2003/7/9(Wed)
ヒトはもともと午後2時に眠くなる生き物なのだそうだ。ラテン系諸国では眠い時は眠ってしまえという考え方からシエスタという習慣が根づいている。しかし先進諸国では昼寝を禁忌する考え方が強く、むしろ元気の出る茶や菓子を楽しんで眠気を克服しようとする。日本の「御八つ」も八ツ時(午後2時頃)の眠気対策として生まれた休憩の習慣だ。
最近では生物リズムの研究が進み、日中の眠気は生理学的根拠のある現象だとわかって、旧い通念も見直されようとしている。とはいえ職場で堂々とうたた寝をきめ込める日はまだ遠そうだ。
小谷隆