ホーム > 小谷の250字 > 2003年9月(30)


<< 励ましとは何か >>


2003/9/4(Thu)

 読売ジャイアンツの斎藤雅樹現投手コーチは若い頃、ノミの心臓と言われてなかなか芽を出せずにいた。そんな斎藤投手に、自らも投手出身の藤田元司監督は強くなれとは決して言わなかったそうである。逆に「ピッチャーにはそれが一番必要なんだ。繊細で用心深くやっていくのがピッチャーなんだよ。ノミの心臓でなきゃピッチャーなんかつとまるか」と励ましたという。
 自分が引け目に感じていた部分をむしろ誉められ、斎藤投手はどれほど勇気づけられたことだろうか。その後の大エース斎藤の活躍はあらためてここで述べるまでもない。
小谷隆


<< 逆境は宝 >>


2003/9/5(Fri)

 時間がないおかげで僕は短時間に集中して物事をこなす術を身に付けた。予算がないおかげで音楽にしても映像にしても最低限の機材でいろんなことを実現する知恵をを身に付けた。それ以前に、男前に生まれつかなかったおかげで知識や教養をたくさん身に付けようと躍起になった。
 逆境は必ずしも人生のマイナス要因になるとは限らない。時間やお金、あるいは素質がないからこそ得られるものもある。
 劣等感に悩むこともあるだろう。しかしそれは自分の現状を冷静に見る眼がある証拠。ちゃんと向き合えばそれは向上心へと姿を変える。
小谷隆


<< 彼らの言葉を聴け >>


2003/9/6(Sat)

 ストリートミュージシャンたちと行動をともにしていて、オーディエンスのマナー欠如には閉口してしまう。アーティストが自作の歌を唄い終えて拍手をくれるまではいい。しかしいくら何でも二言目に「次は何かカバーお願いします」「知ってる曲をお願いします」はないだろう。アーティストはそんな要求が出ると一様に困惑の色を浮かべる。自棄になってサザエさんのテーマを唄い始めるアーティストもいた。
 彼らは酒場の流しではない。自分の主張を歌に託してパフォーマンスをしに来ているのだ。彼ら自身の言葉に耳を傾けてほしい。
小谷隆


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