ホーム > 小谷の250字 > 2002年12月(31)


<< 偉くなるやつは人任せ >>


2002/12/4(Wed)

 学生時代に呉服屋の御曹司の家庭教師をしていたことがある。長男坊で、国立の付属小学校に通っていた。普通の公立から塾通いで私立中に行った弟とは対照的におっとりしていて、何事も人任せだった。こんなのんびり屋に呉服屋の後継ぎが務まるのかと他人事ながら心配したし、歯に衣着せぬ僕は学生の分際で包み隠さずその子の母親にそう告げた。
 しかしこの母親は非常にできた人で、この子は自分では何もしないから周囲がいろいろやってくれるんですよと笑う。なるほどそれもしかり。かたやすべて自分でやろうとする僕はずいぶん損な性格だ。
小谷隆


<< ツジとカゴ >>


2002/12/5(Thu)

「モーニング娘。」の切り売り部隊の一つが「ミニモニ」だそうで、そこにはツジノゾミとカゴアイという中学生がいるらしい。こないだ雑誌で見かけたのだが、はて困ってしまった。僕にはこの二人がまったく区別できないのだ。確かに二つの写真を横に並べてみればかすかな違いはわかるが、さて次に別のカットを見せられるとどっちがツジでどっちがカゴなのかわからない。何の血縁もない二人なのに双子を見分ける以上に難しい。
 東洋に来たことのない西洋人には東洋人の顔がほとんど区別できないと聞くが、まさにこういう感覚なのか。
小谷隆


<< 5人に1人が眠れないご時世 >>


2002/12/6(Fri)

 製薬会社の調査によれば日本人の5人に1人が何らかの睡眠障害を抱えているという。僕もまたその一人だが、もとより人間の生理的構造は25時間を1日と捉えるようにできているらしく、24時間という中途半端な周期の中で規則正しく眠るためにはあえて「努力」をする必要がある。昼間はできるだけ日に当たり、夜はなるべく暗くして身体に夜であることを知覚させよというわけだ。
 しかしネットで24時間いつでも情報にアクセスしたり誰かとコミュニケーションできる時代にあって、なかなかどうして眠るべき時間を身体に教えることは難しい。
小谷隆


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