ホーム > 小谷の250字 > 2002年8月(31)


<< ナプスターのせいだけ? >>


2002/8/10(Sat)

 業界紙ポールスターの集計によれば02年前半に北米で行われたコンサートのチケットの販売数は上位アーティスト50組合計で1060万枚だったそうだ。前年同期比で3%、00年との比較では18%の減少になるという。
 興行収入で健闘したのはベテラン勢で、10年ぶりの北米ツアーを行ったポール・マッカートニーが、5280万ドルでトップ。2位はジョイント・コンサートを行ったビリー・ジョエルとエルトン・ジョン、一方、新しいアーティストたちはあまり振るわなかった。
 CD売上減少の原因はナプスターなどによる不法コピーだけではなかったのでは?
小谷隆


<< 廉価マイク万歳 >>


2002/8/11(Sun)

 歌の録音には良いマイクを使うに超したことはないが、廉価なコンデンサマイクでもそこそこの音が録れるので驚いている。ネット上のインディーズ作品では3000円未満のマイクで録ったというものもある。かえって廉価マイクの方が 適度にレベル調整も効き、歌のアラが消えて後々の処理もしやすくなるものだ。
歌録りではどのみち低域をカットしなければならないし、そもそも人の耳に聞こえる帯域は限られているわけで、SACD用の録音をするのならともかく、16ビット44.1kHzに落とし込むのであれば必要な帯域だけを効率良く拾えればじゅうぶんなのかもしれない。
小谷隆


<< qualia >>


2002/8/12(Mon)

 冷房をフル回転にしていた部屋からふとベランダに出てみたら思いのほか涼しい風が吹いていたので、窓を全開にして自然の涼風に切り換えてみた。気温は2度ばかり上昇したが、不思議なもので清涼感は変わらない。否むしろエアコンでは実現し得ない涼さえ感じられる。
 数値では表せないこういった質感をqualiaというらしい。技術は「質」の一つの側面であるqualityを高めることはできるが、総体であるqualiaは左右できない。これは音楽その他のあらゆる芸術表現についてもいえる。どんな優れた機材も表現のqualiaに関するパラメーターだけは処理できないのだ。
小谷隆


 [前の3日表示]   [小谷の250字]   [次の3日表示] 



- 01 -