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<< 「唄いやすさ」の落とし穴 >>


2002/5/10(Fri)

 好きなものばかり食べていると栄養が偏りがちになるように、唄いやすい歌ばかり唄っていると自分に楽をさせてしまうことになり、総合的な歌唱力のバランスがおかしくなりがちだ。
 世のボーカルスクールの多くは個性の尊重という美名のもとに今もってなおその人の声に「合った」曲ばかり練習させるようだが、スポーツと同じで、どこか「痛い」と感じるような練習でなければ練習にはならないと僕は考えている。いつも「矯正」ばかりがいいとは限らないものの、ダイエット&シェイプアップよろしく、「忍耐」を強いずして結果は出ない。
小谷隆


<< 和製R&Bは中国製CDプレーヤーなみか >>


2002/5/11(Sat)

 今どきは音声信号処理半導体や読み取りのピックアップがあればどこの会社でもほぼ同じ音質の携帯CDプレーヤーを作ることができる。日本製だろうと中国製だろうと関係ない。良い音がほしいなら本体よりもむしろヘッドホンを替えた方が効果的なほどだ。
 そういえば音楽も切り貼りの時代。市販のR&B音源なるものを並べていけば誰でもそれらしいものがかなりのクォリティで作れる。仮に音をオリジナルな並べ方たとて音源はプロの奏でた音のサンプリングだ。和製R&Bなどというと聞こえはいいが、本質は中国製廉価CDプレーヤーと同じだ。
小谷隆


<< 新聞25年分のデータ量? >>


2002/5/12(Sun)

 日立が五百円玉サイズのディスクに「新聞25年分」を記録できるメディアを開発した。何だか凄いことのように映るが、25年の新聞といわれても、少しでもPCをかじった身にはあまりピンと来ない。よくよく記事を読めば「107GB」とある。なるほど、我が家の外付け80GBハードディスクよりも大きい。これは凄いとそこで初めて合点がいく。
 しかし世の中の多くの人にとってはやはり「新聞25年分」の方がずっと説得力があるのだろう。そう思うと世の中の一般認識と自分の感覚との間に大きな隔たりを感じる。僕の音楽もそうなっていないかとふと不安になった。
小谷隆


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