ホーム > 小谷の250字 > 2002年3月(31)


<< 知る人ぞ知る伝説の名手 >>


2002/3/10(Sun)

「テン・イヤーズ・アフター」のアルヴィン・リー、といってピンと来る人はかなり少ないだろう。J・ヘンドリックス、J・ベック、E・クラプトンらと並び称された名手で、高中正義らにも影響を与えた元祖速弾きギタリストだ。この名手のCDが一挙4枚リリースされていた。意外にも日本ではCD未発売だったらしい。
 速弾き当たり前の現代ではほのぼのとさえ感じるブルース調にしか聞こえないだろうが、そこには時代を超えた味がある。僕もかつては夢中でコピーしたものだ。
 ちなみに本人は57歳でなお現役と聞いてさらに嬉しくなった。
小谷隆


<< アイドルの過去と現在 >>


2002/3/11(Mon)

 最近のアイドルはずいぶん歌が巧くなった。現在と過去のベスト10を並行して流す番組で昭和60年頃と今のそれを比較するとはっきりする。もちろん現代は巧い歌に触れる機会も増えたし、唄うインフラにも比較にならないほど恵まれている。ヴォイストレーニングの手法も90年代以降になって一気に確立されている。巧くなって当然だ。
 しかし、自分の時代の人々を贔屓目に言うわけでももないが、巧くなった反面、「味」は薄くなっている。かつては下手でも繰り返し聴きたいと思わせる存在感があった。その点、今の子たちは小粒だと思う。
小谷隆


<< ジャパンマネーなきあと何を語る? >>


2002/3/12(Tue)

 日本を先進国たらしめている要素は腐ってもなお力のある経済力をおいて他ない。そのジャパンマネーを生み出したのは高度経済成長を支えた労働者の無私ともいうべき勤勉さだった。しかし昨今はどうだ? 先進国といえば聞こえはいいが、実態は3Kを忌み嫌う怠け者ばかりの社会へ堕落してきただけのこと。富は蓄積がなければ減るのみだ。
 二流の演奏家を世界の桧舞台に立たせ、税のバラマキの産物たるド田舎のホールで世界の一流演奏家に屈辱の舞台を踏ませてきたジャパンマネーがその威光を失うとき、文化三流国は世界に何を語れるだろう?
小谷隆


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