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<< 一年の計は挫折しても活きる >>


2004/1/1(Thu)

 一歩も後退りしなかった曙の闘いぶりは立派だったが、明確な戦略を持って手数を控えつつ攻めのタイミングをはかったサップはクレバーだった。展開に逆らわず応戦する、野獣の名に反したゆとりが勝利を招いた。
 翻って一昨年はコラボの促進と短編映画、昨年はネットラジオの立ち上げ。傍目には着実に映る小谷のメディア展開だが、どれも元旦の計が暗礁に乗り上げた後に訪れたチャンスを捉えたものだ。挫折寸前の瞬発力は最悪の状況さえ新たな展開への踏み台に変える。
 もちろんそれも年頭に明確な意志があったからこそだが。
小谷隆


<< 便利さと裏腹にあるもの >>


2004/1/2(Fri)

 元旦から開いているスーパー、2日から開いているホームセンター。年末に慌ててお正月の買い物をする必要もない。仮にスーパーが開いていなくてもコンビニは365日24時間営業。元日の未明に煌煌と明かりを点しているレンタルビデオ屋や本屋もある。この国では必要なものが必要な時に手に入るのだ。元日に鑑賞魚の水槽用ヒーターを調達することだってできる。
 しかしこの便利さこそが不景気の原因なのかもしれない。「いつでも買える」は「必要にならなければ買わない」でもある。必要のないものが売れてこその好景気なのだ。
小谷隆


<< 東京 >>


2004/1/3(Sat)

 この時期は東京以外から訪れた人々があちこちで右往左往している。道や乗換えを訊ねられることも多い。今日も電車を待っていたら後ろにいた若い男が関西言葉の老夫婦にこの電車はどこそこの駅に停まるのかと訊かれていた。男はいかにも面倒臭そうに曖昧な返事をしていたが、これが東京の不親切さの象徴だろう。
 何しろ東京は道もわかりにくいし電車の乗換え案内も極めて不十分だ。人も不親切である。思えば自分も20年前は地下鉄さえどこに行くのか危うくて地下鉄にも乗れなかった。路線バスに至ってはあまりの複雑さに未だ敬遠している。

小谷隆


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