ホーム > 小谷の250字 > 2002年8月(31)


<< 高原音楽教室 >>


2002/8/1(Thu)

 小5の姪が山荘を訪れた。何やら大きな荷物を抱えているなと思いきや金管楽器の花形、ユーフォニューム。聞けば吹奏楽クラブに入ったとのこと。さっそくベランダにいた僕の所にやってきて、音楽家なら巧くなるコツを教えてくれとねだる。
 さて困った。ブラスバンドの経験こそあるが、こちらは木管のクラリネット出身。とはいえ同じ吹き物ゆえ呼吸のイロハでも説けば何とかなるだろうと下腹の支えを教えたら、本人も周囲も驚くほど音色に張りが出た。
「初めて息の仕方を教わった」と姪。いったいぜんたい、昨今の音楽教育は...
小谷隆


<< 250字という枠 >>


2002/8/2(Fri)

 連載を始めたばかりの頃、250字とはずいぶん中途半端な字数だなと友人から笑われたものだ。もともとは携帯電話で打てる字数の制約で決められた枠だが、ならば原稿用紙半枚分ということで200字にすればいいのに、という声もあった。しかし連載を続けていくうちにこの250字という枠の中で独特の序破急が生まれたようで、前述の友人もこのリズムに感心してくれている。
 と、今日はいよいよネタも尽きたかと勘ぐられそうな内容に映るかもしれない。確かに今日は何も考えていない。しかし幸か不幸かまだ手付かずのストックが7日分もある。
小谷隆


<< 高原の音風景 >>


2002/8/3(Sat)

 山荘の向かいにあるテニスコートでは朝早くからボールを弾くが聞こえてくる。樹々に遮られて姿は見えないが、早朝だと比較的上手なグループが多いのがわかる。何しろボールのテンポがコンスタントで小気味良いのだ。
 そういう人々の場合はまだこちらが眠っているうちから音がしても不思とまったく苦にならないし、鳥や虫の声をバックに心地よい音風景を描いてくれさえするのだが、これが下手くそな人たちになると昼間でもかなり耳障りだ。
 おそらく僕たちのグループがやっている時も周囲にずいぶん迷惑をかけていることだろう。
小谷隆


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