ホーム > 小谷の250字 > 2002年12月(31)


<< 無限の荒野へ >>


2002/12/1(Sun)

 ある天文学者が、宇宙の広さとはヒトの認識の範囲であると自著に書いていた。宇宙の果てというものを人間が認識できる以上、たとえ人間がそこに到達できないとしても宇宙には確かに果てがある、ということだ。人間至上主義の傲慢な見方と言えなくもないが、それはそれで一理ある。
「無限」という言葉がある。しかしその一方で「限界」という言葉もある。どちらを信じるかで人の生き方は180度変わる。宇宙を認識できる脳は宇宙と同じだけ広い。生きている間に3割も使われないという脳髄には未開の荒野が広がっているのだ。
小谷隆


<< ここの書き手と小谷隆とのギャップ >>


2002/12/2(Mon)

 メディアを通じてしか知らなかったビッグネームと実際に逢うたびに、ああこの人もしょせんただの人間に過ぎないなと感じる。幻想が壊されて少しがっかりする反面、安堵もする。自分もいくらかの努力をすればこういう人々と比肩するところまでいけるような気がするからだ。
 次元の違う話だが、過日のオフイベントに参加した人々が目の当たりにした現実の小谷隆とこのコラムの書き手との間にどんなギャップを感じるのかふと気になった。現場で聞いた限りでは多くの人が僕の早口さに驚いたらしい。もっと気難しそうな人だと思っていた、とも。
小谷隆


<< 虚弱さゆえの健康 >>


2002/12/3(Tue)

 最近は月に1回のペースで熱が出る。もう少し若い頃ならそんなときでも無理をしたものだが、最近はなるべく早めに休養するようにしている。回復力は確実に落ちているからだ。
 身体が弱いねとよく言われるが、かえって僕のようにちょくちょく熱を出して倒れる人間の方がしぶとく生き永らえるのかもしれない。高円宮殿下の急逝を見ても思うが、健康に自信のありそうな人に限っていともあっさり逝ってしまうようだ。その点、僕の場合は少しでも変調があればすぐにアラームが鳴るので大病には至らない。哀しくも有り難い身体である。
小谷隆


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