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2010/04/08(Thu)

 最近ではすっかり見かけなくなりましたが1980年代中盤は洋楽カヴァーのラッシュとなっていた時期がありました、マイケル・ジャクソンやマドンナという超大物の曲は当然ですが当時の洋楽チャートでヒットしていたものやユーロビートと呼ばれたディスコソングまで有名無名に関わらず多くの歌手によって日本語で紹介されました。現在もまったく無いわけではないのでしょうが思い出せる最後のヒット曲は郷ひろみの「GOLDFINGER'99」となるでしょうか。この洋楽カヴァーの最大のポイントは日本語詞がほぼ原曲と関係が無いところにあります、もちろん片岡鶴太郎の「ゴーストブスターズ」(レイ・パーカーJr:バスターズで無いのがミソ)やM.C.コミヤの「遣唐使です〜ちょっと目立たない〜」(M.C.ハマー)のようなあからさまな企画物(パロディ物)に限ったことではありません。特に女性アイドルがカヴァーする機会が多かったせいか普通の恋愛歌となっている場合が大多数でそこから原曲の意味を推し量るのはもはや至難の業とすら言えます。映画のタイトルや字幕、小説の翻訳等も原作どおりである場合ばかりであるとは限りません、日本語で表現するのが難しかったり翻訳者の解釈が挿まれる時があり時には元々の意味より素晴らしい表現になっていることすらあります。しかしまったく異なるものになってしまうというのは歌の世界独特なことであり日本語訳と言わず日本語詞になっているのはこのためでしょう、いわば名前を借りた別作品と言えます。せっかくですから借りてきた欧米に対し逆輸出することにいたしましょう、ただ日本語で歌っているものを紹介するだけでは芸がありません。ここは日本語の詞を“忠実”に英訳してもらいお馴染みのメロディーにのせて輸出して当然原曲を知っている欧米人の度肝を抜くことにいたしましょう(出来ればカヴァーしていた人達の歌唱が望ましい)、デーブ・スペクター氏あたりが協力してくれないかしら?
ロク田中


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2010/04/15(Thu)

 今月に入り久々にヒットチャートを目にする機会がありました、その時に我が目を疑う事態に遭遇してしまいました。以前御紹介した姪や甥も楽しみに見ている2月から始まった子供向けのアニメと特撮ヒーロー物の主題歌がチャートインしていたことです。僕が見た週のチャートでは共に10位代だったのですが初登場となる前週は3位と6位という上々の滑り出しを見せていました(発売は3月中旬)、もちろん実際に買っているのは親達大人であることは間違いないのですがその事実を目の当たりにした時に「いよいよCDセールス不況は深刻だなぁ」と考えさせられてしまいました。今までも「およげ!たいやきくん」や「だんご3兄弟」など子供向け番組発の曲がチャートを席巻したことは確かにありました、しかしその売上枚数は大きな差があり裏を返せば今は1週間に2〜3万枚売れればチャート上位にランクされてしまうということになっているのは長年見ている者にとっては寂しささえ感じてしまいます。別に子供向け番組発の曲やアニヲタが好きそうなアニメの曲が悪いと言っているわけではありません、そのような固定客とも呼べる人達のパワー無くしてはもはやCD売上が伸びていかないところを危惧しているわけです。もちろんビッグネームのアーティストのCDは発売すればこの手の曲達を凌駕するほど売れますがそれとて例外ではありません、やはりCDを買うのは固定ファンであり今までは話題性等でつい買ってしまった浮動票は違う方法をとっているのが全体的な売上不振に結びついています。昔レコードからCDへ変わっていった頃は周辺機器の切り替え時期にセールスが伸び悩んでいました、ハードの値段の問題等で普及がなかなか進まなかったからです。しかし何度も書いてきたように原在は周辺機器の普及により売上が伸び悩むという逆転現象が起きていレコード会社にとっては頭を抱える問題でしょう、かく言う僕もその恩恵を受けている身ではあるのですが。現在昔の「ザ・ベストテン」のような番組があったらいったいどうなっていたことやら。
ロク田中


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2010/04/22(Thu)

 中国でまもなく始まる上海万博、そのPRソングをめぐる話題が連日マスコミを賑わしています。インターネット上での指摘によって火がつき日中両国のネットユーザーの間で大騒動に、それに伴い事実上の作曲者である岡本真夜の評判が日本国内だけでなく中国でも急上昇しているみたいですね、中国側からの正式要請に対する大人の対応が高評価を受けているようです。僕も問題の曲を動画サイトで試聴してみました、ご丁寧に元ネタと言われる彼女の曲とかぶせて編集してあるものまであったくらいでこの問題に対する興味の高さがうかがえます。どれだけあちらの作曲者が岡本真夜にインスパイアされリスペクトしているかは知る由もありませんが残念ながら結論としては久々に言い逃れが出来ないレベルの解りやすいあからさまなパクリに出会えましたね。様々な分野でいわくつきとも言われる国が相手でありマスコミも含め検証に余念がありませんが何も中国に限ったことではなく日本でもこの手の問題はしばしば発生します、何件かは裁判沙汰にまでなっているケースもありますしパクリを検証する書籍も何冊も発売されています。大抵はさしたる話題にもならずに話のタネくらいで終わってしまうのですが今回日中両国にまたがる大騒動にまで発展したのは国家プロジェクトであるイベント(もちろん中国側から見て)絡みの曲であるということに行きつきます。僕は岡本側に対する中国側の異例とも思える対応の早さに驚きを隠せないとともに逆に大変評価しています。もちろん出鼻を挫かれた形になりメンツを潰されたということから使用許可要請に繋がったものでただの商業ベースでの問題ならば国が動くことも日本国内で話題になることも無かったでしょうが、謎の屁理屈をこねくり回していたあの遊園地のキャラクター騒動から見れば大きな前進と言えましょう。
ロク田中


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