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2009/12/17(Thu)

 今回は松田聖子(クレジットはSEIKO)の「DANCING SHOES」です、彼女の第1回結婚前の1985年に今は無き12インチシングルとして発売されたもので連続1位記録更新にも貢献いたしました。この頃は空前の洋楽ブームでありカヴァー曲が多かったのは以前ご紹介した通りなのですがこの曲は英語詞ではあるもののオリジナル曲でした、後々発売された当曲収録のアルバムは全編英語詞であり本人のアイドルからの脱皮(既にしていたが)と野心が窺える作品となっていましたね。このシングルは日本のみならずイギリスでも発売をされました、同地ではおそらくまったくと言っていいほど話題にすらならなかったようです(少しはプロモーションもしたのでしょうが)。彼女に限らず本場への憧れというものがアーティストにはあるようです、海外に端を発するジャンルの音楽(ロックとかね)をプレイしていればなおのことです。多くは洋楽の影響を如実に楽曲の中に取り入れるという手法に留まるのですが発展形として英語詞をリリースしさらに高じると本場への殴り込みという図式になっていきます、プレイヤーとして以外は成功例はなかなかレアケースとなっていますね(皆無では無いことは存じています)。本場にあまたいる同型のアーティスト達を差し置いて異国の出身者が華々しく活躍するのはかなり難しいことです、日本のようにマスコミが大々的に取り上げ煽ることが少なければなおのことでしょう。やはり日本での名声をかなぐり捨て現地に腰を据えて地道に活動していくしかありませんね(それで成功するとは限らない)。昨今は日本でのみの活動ながら全編英語詞でリリースを続けるアーティストも珍しく無くなってきました、まったく英語が出来ない僕のような人種には素晴らしいことだと思います、もっとも英語が得意な人間が英訳したものをただ読んでいるだけだと意味はあまり感じられませんが。

ロク田中


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2009/12/24(Thu)

 今回は森高千里の「ジン ジン ジングルベル」です、言うまでもなくクリスマスを意識した選曲にいたしました。80年代最終盤から90年代にかけてヒットを連発した彼女、シングルリリースのペースもかなり早かったですね(前にも書いたが僕の認識はアイドル)。この曲は当時あるメーカーの“ジン”という種類のお酒のCMソングになっていました、タイアップは当時も当たり前のように行われていたことでありそれ自体は珍しいことでもなんでもありません、注目すべき点はCM時にはサビの部分に商品名が織り込まれていたことにあります。何度となくこのCMタイアップについては触れてきました、ひとくちにタイアップと言っても様々なパターンがあります。この曲のパターンは一言で言えば「メーカーへのサービス」となります、このパターンはありそうでそう多くはありませんが最近ではお菓子のCMでおなじみのいきものがかりの「じょいふる」がこの系譜に当てはまります。おそらくはタイアップが先に決まっていて新曲を書き下ろすことになった時に商品名やCMジングルを入れやすいような作りをしてきたのでしょう、このパターンの発展型には米米CLUBの「ワンダブル SUNでぃ」やKATSUMIの「It's my JAL」が存在しますね。遊び心に富んだ曲を多くリリースしている森高千里ならではとも言える曲で彼女の代表曲とは言えないまでも彼女らしさを表している曲の一つとなっていますね。さて一年余りに渡りこの企画をお届けしてきました、来年からはまたまた別の企画を考えております。先月仕事で海外に赴任している友人が帰国して飲んだ際に面白いヒントを貰いました、彼はタイに行っているのですがカラオケで同地の女性にプリンセスプリンセスの「M」が流行っているとのこと、もちろん日本人を意識してのことは言うまでもないのですがここは一つ日本の歌をもっと海外に知らしめましょう、ただし「今更?」と言ってしまう若干ピントのハズれた歌というコンセプトを考えていますので乞うご期待(無論「M」はピントハズレではありません)。
ロク田中


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2009/12/31(Thu)

 世の中の激動とはうらはらに今年の音楽シーンはかなり静かなものでありました。もちろんポツポツと話題になった曲があったり忌野清志郎氏やマイケル・ジャクソン氏の訃報があったりと事象には事欠かなかったのですがチャートの盛り上がりはCD不況と言われ続けて久しいここ数年の中でも一番では無かったかと思われます。そんな今年遊助(上地雄輔)と並びチャートを賑わしたのは嵐でしょう、去年も年間トップ10内に何曲も送り込みすっかりジャニーズ第2勢力の座を不動のものとしましたが今年はトップ3が全て彼等の楽曲と先輩である光GENJI以来の快挙を成し遂げ第2勢力の中でも一歩抜け出した感すらあります。特に今年は彼等にとってデビュー10周年という記念の年にあたったため精力的に活動し(紅白出場もその一環)通常の支持層だけでなく幅広い層にも浸透したことがポストSMAPを狙える位置に導いた要因と言えます、ちょうどSMAPと同じく5人組でありメンバーの比較もしやすいので嵐考を今年最後にしてみましょう。メンバーに対して僕の持っている印象はキムタク=マツジュン、中居=桜井、稲垣=二宮、剛=大野、慎吾=相葉となっています、二宮は稲垣より喋るとか細かい事象はさておいたあくまでイメージによるものです。アーティストとしてだけで無く俳優としても個々に評価されていますが惜しむらくはまだ代表曲に巡り会えていないことが残念です、ファンに言わせればいろんな曲のタイトルを挙げ反論をされるのでしょうがそれはファン内の話であり普段嵐を聴かない人達でさえ知っている曲という意味での代表曲というものはまだ無いというのが僕の彼等に対する印象です、何も売上枚数だけを指して言っている訳ではありません。「世界に一つだけの花」とまでは言いませんがそれまでのSMAPの代表曲とも目された(おそらく今の嵐と年齢的には同じくらい)「夜空ノムコウ」クラスのインパクトのある曲を提供してようやくポストSMAPの集団からの脱却が出来そうな気がしますね。とはいえ以前デビュー曲のみのインパクトしかないジャニーズ勢の一員に挙げてしまった不見識については謝っておきましょう、「先輩、どうもすいませんでした」。
ロク田中


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