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<< 必殺仕掛人 >>


2008/3/5(Wed)

 最近巷を賑わしている男性アーティスト2組についてご紹介しましょう。まずは「home」を歌う木山裕策です、タレントの東野幸治司会のオーディション番組で見出され東野が準レギュラーの島田紳助の番組で同曲が紹介されました(共に日テレ)。歌い方は武骨な平井堅、ルックスは普通のサラリーマンといった感じなのですが逆に曲のテーマの家族愛にピッタリくるのか紳助以下出演者が大絶賛しヒット曲となっています、バックに大物がつくと得ですなぁ。もう1人は黒人初の演歌歌手であるジェロです、こちらもデビュー曲「海雪」が大変好評で氷川きよしを除くと久しく見かけなかった2週連続チャートのトップ5入りとなっています。こちらも発売日前後に各ワイドショー等で引っ張りだこ、彼は祖母が日本人でデビューと紅白出場を約束したという話が美談として紹介され話題となりセールスにつながっているのでしょう。先日初めて彼が歌っているのを見ました、ヒップホップのような振り付け(バックダンサー付き)は御愛嬌としてレベルとしてはまぁ上手く演歌ファンの鑑賞に充分耐え得るものであると思います。有名無名に関わらず大多数のアーティストがタイアップや話題作りに苦労している中で彼等のようにマスコミで派手に宣伝してもらえる歌手は大変幸せ者だと言えます、ただの話題性だけで無く楽曲や歌唱力が伴っていることもヒットの要因であることも理解出来ます。しかし全くのノンタイアップだった場合を仮定した時にここまでのヒットにつながったかを考えるとはなはだ疑問です。昔は有線放送から火がついて売れた曲が結構存在しました、最近はインターネットがその役割を果たしているのでしょうからぜひノンタイアップでクチコミで生まれたミリオンセラーなんて見たいものです(途中でどこかのメディアが食いつくでしょうが)。さて、まだ3月になったばかりだというのに早くも紅白当確ですかね(大穴予想時には触れぬようにせねは)。
ロク田中


<< 懐メロ予備軍(00-1) >>


2008/3/13(Thu)

 1000年に1度のミレニアムということで世紀末に沸いたこの年は21世紀に残したい(?)ヒットが連発いたしました。サザンの「TSUNAMI」、福山雅治の「桜坂」、SMAPの「らいおんハート」とミリオン続出でしたがこの年からはまず小柳ゆきです。 前年に「あなたのキスを数えましょう」をヒットさせていましたがこの年に入っても絶好調、立て続けにヒットを連発させチャートの1位も獲得しました。ほぼ同時期に評判となった宇多田ヒカルや倉木麻衣と新三人娘(言い方が昭和だな…)的にもてはやされすっかりトップアーティストの座を手に入れた…かに見えました。しかしこの年のみで失速状態となる(紅白にはその後何年か出場)という厳しい状況を迎え前記の2人とは大きく差が着いてしまいましたね。彼女の流行った楽曲はブラックR&Bをモチーフとしたものでしたが彼女以前から続く1つのジャンルとして今もすっかり定着しています。毎年いろいろなアーティストがチャートを賑わしていますが彼女のように旬の時期が大変短い人も珍しいことではありません。多くのアーティストの中から差別化をはかるのは大変難しいことです。楽曲の良し悪しは聴き手の判断に委ねられることが多いですしこの手のタイプには歌唱力は必需品です。後はビジュアルとトークの上手さになってしまうのでしょうか?テレビを通じて発信する時には大変大事なことではありますね。しかし後から大勢出てくるのですからその部分にのみ頼っていると飽きられてしまいます(昔のアイドルと構図はまったく変わらない)。やはりその人でなければ成り立たない個性を見つけ出さないと生き残りは難しいでしょうね(それが大変なのでしょうが)。さてこの小柳ゆき、長年務めていた競艇のCMソングも大御所にとって代わられてしまいましたがまだ20代ですし「あの人は今」的評価をされるのはもったいないです、思いきって路線変更なんていかがでしょう?かつての長山洋子のように(別に演歌とは言わない)。
ロク田中


<< 賢く利用 >>


2008/3/20(Thu)

 宇多田ヒカルの新しいアルバムが発売されました、それに先駆けてアルバムタイトルでもあるシングル「HEART STATION」が1ヶ月ほど前に発売されています。同曲のチャートの動きを見ていてちょっとした異変を感じました。今のランキングは大方初動重視(1週目が勝負)なので2週目以降のチャートの推移は想像が出来ました、しかし思ったより全然話題になっていないことにビックリしてしまいました。宇多田といえば出す曲チャート1位になるのであろうとこちらが勝手に思い込んでいる面があったからです。彼女は前作も着うた等で相当な反応があったので今回もそんな感じなのかと勝手に早合点をしておりました、もちろんそれで済ませた方も多いのでしょうが今回はもう一ひねりありました、1ヶ月ガマン(?)をすればアルバムが発売になるという情報がリスナーの買い控えに影響したように思えてなりません。デビューアルバムが推定800万枚強(!)売れたと言われている彼女を基準にするとすれば昨今の状況は求心力の低下を叫ばれかねません、デビューして約10年経つのでなるほどその見方もあながち的外れではないかもしれません。ここ数年でインターネットを含む音楽周辺機器が物凄い速さで変化を遂げました、ようやく着メロが定着し始めた彼女のデビュー時から見るといまや着うたフルが主流になっているのですから無理にシングルを買う必要は無くなって来ています。アルバムはかなり売れていると思われるので(デビューアルバムほどの売り上げはもう無理でしょう)即座に彼女の人気に陰りが見えたと考えるのは早計です。コレクターズアイテムとして全部手元に揃えておきたいという人でも無い限りこれからますますシングルの売れ行き不振は続くでしょう、今は歌詞すらネットで手に入る世の中ですし。
ロク田中


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