ホーム > 小谷の250字 > 2003年8月(31)


<< 黄門さまの威厳消ゆ >>


2003/8/13(Wed)

 先日、久々に水戸黄門を観てあまりの薄っぺらさに失望させられた。配役が若いとかそういった問題ではなく映像があまりにチャチなのである。
 最大の要因は製作をフィルムベースからビデオベースにしたことだろう。1秒24コマのフィルムならではの柔らかさが消え、ビデオ独特の妙な生々しさが目立つ。同じビデオでも1秒24コマで映画っぽく映すシネアルタのようなシステムも開発されているというのに、いくらコスト削減が必要とはいえ街の風景がいかにも作り物臭く映り、役者のカツラの境目まで見えてしまうのはいかがなものか。
小谷隆


<< ファン不在の采配 >>


2003/8/14(Thu)

 谷繁と荒木の連続本塁打で5‐1とリードして9回のマウンドは今季初完投目前、38歳の山本昌。球数はまだ少ない。しかし無死から代打の清原にソロを浴びると山田監督は岩瀬にスイッチ。たちまちナゴヤドームのスタンドはブーイングに包まれる。
 まだ3点差ある。もはや阪神の優勝は覆しようもないところまで来ているのにこうまでして安全に勝ちにいくべきなのか。みな思いは等しかったに違いない。ファンが見たかったのは楽な勝ちではなく完投を目指して必死に投げるベテラン投手の勇姿だ。勝っても後味の悪い試合である。
小谷隆


<< 哀しき言い逃れ文に思う >>


2003/8/15(Fri)

 最近、広告も取扱説明書も「言い逃れ」の文章だらけだ。これは製品の誤った使用などで何か不都合が生じたときに「こう書いておいたからウチの責任じゃない」と言い逃れするためのPL(製造物責任)法対策である。たとえば電子レンジで猫を乾かしてはいけませんという記述がなかったというだけで、本当にそんな馬鹿なことをした消費者が「いけないとは書いてない」ということで裁判に勝ってしまうのが今の法律なのだ。
これは米国のヒステリックな法律を真似たものだが、常識的なことまで言い逃れしなければならないのもあまりに哀しい。
小谷隆


 [前の3日表示]   [小谷の250字]   [次の3日表示] 



- 01 -