ホーム > 小谷の250字 > 2002年6月(30)


<< W杯のさなかに思うこと >>


2002/6/10(Mon)

 世の大半がW杯サッカーに沸きかえる中、僕は独り冷ややかな非国民であったりするが、それでも今回の日本のW杯初勝利はバルチック艦隊殲滅を想起させる痛快な出来事だった。おめでとう!
 それにしても今回のW杯最大のニュースは韓国の地で日の丸がはためく中、「君が代」が唄われたことだろう。あの開会式だけは僕も万感の思いでテレビを眺めていた。不幸な歴史ゆえ、隣国でありながら精神的には遠い国。同じ語族でありながら我々の多くはハングルで買い物することさえできない。
 なぜかふと、ハングルの歌を作ってみようかと思った。
小谷隆


<< 飽和する感性には10倍の刺激を >>


2002/6/11(Tue)

 オフィスから眺める晴れた日の風景は数値上、室内より百倍も明るいことになる。しかし人の眼には確かに外の方が明るく映るものの、まさか百倍も違っては見えない。人の感覚というのは2倍の刺激に対して2倍反応するというものではないのだ。
 感性には閾値がある。閾値に近づけば感覚が飽和に近づく。10倍の変化があってようやく「少しは変わったな」というのが人の感性だから、世の中を変えようというものを作るにはせめて10倍の変化を実現しなければならないということだ。
 刺激に対して飽和ぎみの昨今。新しいものを出すのは実に難しい。
小谷隆


<< 質の追求について >>


2002/6/12(Wed)

 昨日書いた「10倍」理論は作品作りにもあてはまる。感性を相手にした造作物は2倍の質を実現するためにそれこそ10倍の時間とコストを要する。音源作りでそれだけのリスクを負うかどうは都度の判断によるが、最大の判断要因は音源がどういう目的で作られているかに尽きる。
 やはり有価物にする場合に比べたらネットでのプロモーション的な無料配信に特化したものはかなり端折ったものにならざるを得ないというのが現状だ。それよりもいかに軽い負担で多くのアーティストのエッセンスを効果的に届けるか、今はそっちが重要だと考えている。
小谷隆


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