ホーム > 小谷の250字 > 2001年11月(21)


<< 左脳右脳のダブルヘッダー >>


2001/11/19(Mon)

 眠れぬ訳ははっきりしている。およそ創造的でない日中の雑務に酷使された左脳が力尽きる頃、惰眠を貪っていた右脳が目覚め、放っておけば未明まで活躍してくれるからだ。脳を支える身体の方は若い頃なら問題なかったが、三十路に入ってからこのダブルヘッダーは翌日にかなりの支障を来すようになった。
 せめて昼間のうちに少しでも右脳の安眠を妨げようと、左手でこの駄文を打ったり左手で箸を持つようにしたり、あれこれ工夫はしているが成果は乏しい。最後は最大の妙薬である般若湯の世話になって強引に右脳を寝かしつける今日この頃だ。
小谷隆


<< ユーミンよ、「新譜」を出せ >>


2001/11/20(Tue)

 ユーミンの新譜が発売いきなり1位だという。さすが冬女の本領発揮かと感心していたら、何のことはないバラードばかりを集めたベスト盤だった。復刻に走ってから久しい彼女だが、枯れたアーティストの断末魔を聞くようで、失望を通り越して哀愁さえ感じる。
 その点、いま出している曲がベストだと言い切る桑田佳佑には敬意を表する。過去の曲を集めてこれがベスト、ではお客さんに対してあまりに失礼ではないか。旧いファンも逃さず常に新しい世代の心もつかんできた人とそうでない人との差は歴然だ。
 ユーミンよ、新譜を出せ。
小谷隆


<< インデーズの存在意義 >>


2001/11/21(Wed)

 テレビではめぐり逢えない音楽が見つかる、というのがあるインディーズの音楽配信サイトの謳い文句だ。確かにCDとして市販されていないからその通りだ。が、実際はいわゆる誰風の売れ線狙いで、いずれ大手に拾われたいという色気をたっぷり匂わせている。それでいて作品の質が低い。
 メジャー予備軍に甘んじたらインディーズは終わりだ。企業戦略に縛られたメジャーには間違っても手の出せないほど個性的で挑戦的なものを送り出してこそインディーズの存在意義がある。売らんかなの臭味は魅力を損なう。そんなのはテレビで十分だ。
小谷隆


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