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<< 残響なき生声の時代 >>


2002/1/27(Sun)

 かつてアイドル歌手というと歌の下手さ加減を誤魔化すための深いリバーブが使われていたし、あるていど上手な人でも逆に残響を巧みに使うような唄い方をしていた。しかし最近ではみんなそれなりに歌が巧くなったせいか、かつてのような深い残響は影を潜めているように感じる。どちらかというと生声に強いコンプレッサーをかけたような音が多い。演奏についても同様で、あたかも狭い部屋で録音したかのような雰囲気である。
 しかし残響なしで聴かせるのもなかなか大変だ。ますます声の魅力が要求される時代になったのかもしれない。


小谷隆


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