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<< 哀しきナナメ読み >>


2002/1/24(Thu)

 電車の中でマンガ誌を広げる若いサラリーマン風の男。数秒毎にページをめくる。それでもたまに顔が弛むからいちおうちゃんと読んでいるのだろう。大した速読力だと感心していたら15分足らずの間に裏表紙まで到達、それを惜し気もなく網棚に放り投げるや急ぎ足で電車を降りていった。
 描き手の工数、360ページの雑誌を編集する工数はどれほどのものか。なまじそれを知っているだけに、網棚に置き去りにされた雑誌は余計に哀しく映る。
 翻って、自分たちの音楽がマンガを読み飛ばす速さで消費されたらあまりに切ない。


小谷隆


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