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<< 身軽な旅 >>


2002/1/3(Thu)

 小諸では珍しいこの時期の豪雪に閉じ込められた。散策さえままならぬ身は藤村の掛け軸と向き合いつつ、思考の堂々巡りを愉しんでいた。
 旅は結論する場にあらずというのが最近のちょっとした悟りだ。解放された無意識の領域で勝手に展開させた思考のカオスから明快な答が出てくるのは、どうせ都会の日常のふとした瞬間であるに違いない。
 かつてはどんなアイデアも逃すまいと、どこへ行くにも後生大事に音楽の機材を持ち歩いたものだが、荷は年々減って今回は別件もあったゆえ五線紙さえ持たぬ旅になった。理想は寅さんか。


小谷隆


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